春日部市には、前回紹介した国道16号線と併せて、南北へ縦断する形で通っている「国道4号線」があります。
国道4号線は東京の日本橋を起点として春日部、宇都宮、那須塩原、仙台、盛岡を経由し、青森まで続いている日本一長い国道です。
また4号バイパス(新4号国道)に分岐しておりますが、共に春日部市内で北へと伸びて宇都宮にて再び4号線と合流しています。
国道4号線は江戸時代の五街道である日光街道、奥州街道の上に通っており、
徳川将軍の日光東照宮への参拝用として整備されたのですが、物流の重要道路としても利用されるようになりました。
春日部は、その4号線の千住、草加、越谷と続く宿場町の一つとして発展してきた背景があります。
全国的に話題となった映画「翔んで埼玉」でも、主人公達が東京から埼玉へ逃亡した際に春日部へ向かったのも、そんな史実に即している面があるようです。
以上のように、実は歴史的に重要な道路が今の春日部を支える要因となっているのは興味深い点です。
そして今回ご紹介する「日本紀行」は、イギリスの旅行家であるイザベラ・バードが1878年(明治11年)に東京から春日部、日光を経由して北海道へと至るまでの道すがらを記しており、
作中では、当時の宿場街であった春日部の風土や人々の様子が書かれていて、かつての街の状況をうかがい知ることができる内容です。
ちなみに、この本は著者の率直な感想を書いたものとなっているため、道中の苦労とその時の心境をそのまま記しており、
ともすれば我々からは毒を吐いているように思える箇所も多々あります。
例えば、バードが春日部(粕壁)の宿場に泊まった際、畳に湧いている蚤や蚊、簡易的な寝具の寝心地、また周囲とは穴だらけの障子戸で区切られているかぎりなので、
隣人の発している音や屋外の騒音で気が休まらず、逆に鍵も壁も無いここで落ち着けるほど他人を信用していません!などと、だいぶ苦労している様子が書かれています。
とはいえ、道中の人々や風景について文化の違いを感じる箇所を事細かに書き残している点は読んでいて面白い部分も多く、
日本文化に慣れ親しんだ我々の視点では気が付かない事も多いかと思います。
このイザベラ・バードという人物の視点から見てみることは、日本の昔の様子を理解するのに実は丁度良いのかもしれません。
なお、この「日本紀行」を元にした漫画も発刊されております。(『ふしぎの国のバード』ビームコミックス※現在はハルタコミックスで連載中)
フィクションを交えつつも史実に沿って描かれており、原本を知らなくても読みやすいので気になった方はこちらから読んでみるのも良いと思います。
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