
庄和地区で年末年始になると、初詣に沢山の方々がお参りに来る香取神社。
お寺では仏像が置かれている通り、釈迦如来や菩薩などの仏様を祀っていますが、
神社は自然信仰の儀式を行っていた場所が起源とされており、日本神話の神々が祀られています。
例えば、国や神を産んだ神「イザナギ」、太陽神である「アマテラス」などは有名で
様々なところで名前が登場することから、日本神話をあまり知らない方でも一度は耳にしたことがあるかと思います。
それでは、この香取神社ではどういった神が祀られているのでしょうか。
日本神話の資料は代表的なものとして「古事記」と「日本書紀」の2種類がありますが、ここからは「日本書紀 上・下(講談社学術文庫)」の神代巻を元に話を進めます。
日本神話は、まず世界以前の”混沌としたもの”があり、そのうち”陰”と”陽”に分離して天地が作られ、それぞれに神々が生まれるところから始まります。
天上の神は天津神(あまつかみ)、地上の神は国津神(くにつかみ)と呼ばれ、天地で別々の国造りが進められていく中で、様々なエピソードと共に神が生まれていきます。
そんな中、天津神である男の神「イザナギ」が、妻である女の神「イザナミ」を亡き者にした「カグズチ」に怒り、剣で斬ってしまいます。
その際に剣から流れ落ちた血が固まると岩の群れとなり、2人の神へと変わります。
この2人の神からまた2人の神が産まれ、その2人から「フツヌシ」が産まれたとされています。
まさにこの”フツヌシ”こそが、香取神社の総本社である千葉県香取市の「香取神宮」の祭神として祀られているのです。
フツヌシは刀剣の威力を神格化した神であるという事から、武勇長久(武人としての命運が続くこと)、武芸上達のご利益があるとされています。
それゆえフツヌシは武神として最強格であるとされ、”国譲り”と呼ばれる「天津神が国津神から日本国を譲ってもらう事」の為に、
同じく最強格の武神である「タケミカズチ」と共に出雲国へ降りた際には、国津神の代表と武力も匂わせた交渉の末に出雲国、ひいては地上を平定して”国譲り”を成功に導いています。
国譲りの後、天津神は日本を天上のように素晴らしい国にする為に降り立ち、国の繁栄に尽力していく、という形で締めくくられております。
以上のような伝説が現在の日本の神社を作り、神道文化を支えています。
このように歴史を辿ると、身近にある香取神社には日本神話でも大変重要な役割を持った神が祀られていることがわかります。
普段は意識しない事ですが、こういった話を知っていると、新鮮な気持ちで神社を訪れる事が出来るのでは無いでしょうか。
住所 埼玉県春日部市米島1198-3
(南桜井駅から徒歩3分、埼玉りそな銀行庄和支店の隣です)
Tel 048-746-2200
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